トップオススメ記事「大人の学び」と「コミュニケーション」が人類を進化させる――チームボックス CCO Tehu

「大人の学び」と「コミュニケーション」が人類を進化させる――チームボックス CCO Tehu

「大人の学び」と「コミュニケーション」が人類を進化させる――チームボックス CCO Tehu

社員インタビュー 2018.08.30

「大人の学び」と「コミュニケーション」が人類を進化させる――チームボックス CCO Tehu

Tehu

デザイナー・クリエイティブディレクター 1995年神戸市生まれ 株式会社チームボックス 取締役CCO 株式会社講談社 第一事業戦略部チーフクリエイティブディレクター 人類の文明の本質を「学び」と「コミュニケーション」の2つであると位置づけ、これらの能力をテクノロジーとデザインによってブーストさせるため、各社でプロダクトを手がける。私立灘中高を経て慶應義塾大学環境情報学部に在学中。

「大人が変われば、日本社会、ひいては文明すら変えられるかもしれない」

そんな”夢物語”を信じているメンバーがいる。灘高校在学時にアプリ開発で注目を浴び、現在は慶應SFCに通いつつ、チームボックスや講談社でデザイン、クリエイティブの仕事に従事するTehuだ。

CCO(Chief Creative Officer)としてチームボックスに関わり、「学び」と「コミュニケーション」を通じて人類の進化にアプローチしたいと語るTehu。どのように学びに向き合い、自分自身を変化させていったのだろうか。

子どもだけではなく、大人も変わらなければいけない

「人は人を変えられるのか?」そんな問いに最初に向き合ったのは、創業当時から運営や企画に関わっていた小中高生向けのプログラミングスクール「Life is Tech!」だった。

「多くの中高生にプログラミングを教える中で気づいたのは、人は人を変えられるということ。親に参加させられ、はじめてプログラミングを勉強した生徒が5日後にはプログラミングに夢中になり、自身の進路が見えてくることがあります。そんな子どもたちと接する中で、人は変わるし、教育には子どもたちの未来をより良いものにできる力があると感じたんです」

多感な思春期を過ごす子どもたちが、自分の人生の新たな可能性に気づき、その道に一歩踏み出す。彼らのサポートに強いやりがいを覚えていった。

その一方で、子どもに対する教育の限界も見えてきた。子どもが新たな可能性に気づくようにアプローチすることは、大きな意義がある。だが、その子どもが社会により良い影響を与えられるのは、大人になってからかもしれない。

「いまの日本社会の構造を考えると、世の中に大きなインパクトを与えられるのは、ある程度年をとった大人になってからになります。その頃には、いま子どもたちに伝えた知識は古いものになってしまう。それでは社会を変えるには遅すぎると思ったんです」

子どもの変化にアプローチするだけでは、十分ではなかった。子どもを変えると同時に「大人も変われる」と示していかなければ、社会は良くならない。そんな疑問がTehuの中で芽生えていった。

Tehuのもとに、チームボックスから声がかかる。チームボックスが掲げる「大人が素直に学び合う社会をつくる」というビジョンは、Tehuの課題意識とピッタリ重なった。ビジョンに共感し、TehuはチームボックスのCCO(Chief Creative Officer)に就任する。

デザインの役割は、「大人の学び」の痛みを和らげること

Tehuのチームボックスでの業務は多岐にわたる。デザインやクリエイティブの力を使い、より良いコーチングを行うためのサポートを行い、新規事業の責任者も兼任。ときにはコーチングの現場に出ることもある。

デザインの対象は、コーチングの現場で使う振り返りのためのツール「daywill」や「Teambox LEAGUE」のサービス設計から、現場でのワークショップまで幅広い。CCOとしてデザインやクリエイティブの役割を「痛みを和らげるもの」と語る。

「大人の学びには痛みが伴います。変わるためには、自分の過去の経験を否定し、アンラーンしなければいけないからです。コーチが痛みを与える仕事ならば、デザインやクリエイティブは痛みを和らげる役割でありたい」

デザインとは「注射針を細くするようなもの」と、Tehuは表現する。効果は同じでも、痛みを伴わずに「大人の学び」を推し進めるには何が必要なのか。デザインの本来の役割を問い直し、Tehuはこう語る。

「僕の理想は、何もデザインしないことです。人がサービスやプロダクトを使ったときに、デザインされていることに気づかなければ、それは人が集中できていることなんです。コーチングでも、痛みや辛さを感じさせずに、自分自身の変化に集中させることがデザインの役割なんです」

「大人が変わる」瞬間に向き合う

デザイン、クリエイティブが主担当でも、チームボックスではメンバー全員がコーチングに関わる。コーチング、デザイン、テクノロジーに優劣はなく、その3つの要素がバランスを保ちながらチームボックスの成長を加速すると考えているからだ。

Tehuはコーチングのある現場に参加したことを思い出す。そこで向き合ったのは、某大企業の営業リーダー。全ての仕事を自分でこなし、部下のことを信用できていないエグゼクティブ職であった。

「僕自身が若いこともあり、最初は警戒され、相手の心を開くことが難しかったんです。コーチング・プログラムの途中でその人の課題は見えてきたのですが、どう伝えれば相手に響くのかがわからなくて苦戦しました」

コーチングの現場では、念入りに計画を立てる。参加者とのコミュニケーションひとつをとっても、会話の展開をタイプ分けして事前に準備している。ある時、そのリーダーの方が体調を崩し、その原因はコーチングに参加したことだったと語ったという。

「体調を崩した原因についてコミュニケーションを取る中で、相手の方に働きすぎていることを理解してもらったんです。そこで働き方のスケジュールを一緒に立てたら、一気に体調が良くなっていきました。徐々に部下に仕事の権限委譲をしていき、部下の成長に気づく中で、『自分は驕り高ぶり、部下のことを信用できていなかった』と言葉にするようになったんです。大人だって変われる、そう感じました」

体調不良という大きな痛みがあり、そのリーダーは変わった。だが、擬似的に痛みを作りつつもデザインの力で痛みを和らげるほうが、変化はスムーズだろう。コーチング事業のなかでデザインが貢献できる部分は大いにある。

弱さに気づき、さらけ出す。チームボックスで実践した「アンラーン」

人の変化に向き合う中で、自分自身を客観視できることもある。まるで映し鏡のように。Tehuは新規事業のリーダーとしてチームを率いる中で、今まで目をつむっていた課題にも向き合わなければいけなくなっていた。

「僕、マネジメントが苦手なんです。プロダクトに向き合い、考え続けることが好きで。今までは、気心が知れる仲間とものづくりをしてきて、大きな規模のチームで仕事に取り組んだことがなかった。事業を進める上でチームを作り、人を巻き込みながら販売目標を立てる経験がない中で、プロダクトづくりの主導権を誰かに握られるのも嫌だと感じていて」

そんな弱さにTehuは真剣に向き合った。チームボックスでは社内メンバー同士のコーチングを行い、弱さを直視することを厭わない。

「マネジメントが苦手なことを受け入れて、弱さをさらけ出す。それまでプロダクトデザインの点で、社内で自分の右に出る者はいないと考えていました。マネジメントだって挑戦すればできるだろうと。でも、違っていました。今はプロマネが得意なスタッフに相談したりと、『できない』という弱さを認められるようになったんです」

「できない」と言うことは、簡単ではない。だが、Tehuはチームボックスに参加したことで「無理なことは無理と言えるようになりました。それは自分にとってすごく大きかったと思います」と振り返る。

「今までずっと頼られてきた人間で、自分で誰かに頼る経験を必要な年代のときにしてこなかったんですね。天狗になっていた部分もあるかもしれません。チームボックスで働く中でそんな自分に気づけたのは大きかったです」

「まるでコーチング相手の営業リーダーが自分の写し鏡のようだった」と語る。その人の変化にアプローチしたことで、「自分で全てやりたい」というTehuの考え方も変わっていった。

「学び」と「コミュニケーション」が人類を進化させる

チームボックスの事業に関わる中で、自分自身が取り組むべきことの輪郭も少しずつ明確になっていく。

そもそも、なぜ「学ぶ」ことは重要なのだろうか――Tehuが深めていったのは、この問いだった。

「『人間と他の生物との違いはなにか?』がずっと疑問だったんです。その違いは『学び』と『コミュニケーション』の2つにあると考えています。たとえば、僕らは昔から魚を釣り針で釣っているのに、未だに魚は引っかかります。つまり、魚は学んでいないんですよ。一方で人間は経験から学ぶことができるので、同じ失敗を避けるように働きかけることができる。」

「学び」だけではない。人間は学びをアーカイブすることで、次の世代に継承することができる。それが『コミュニケーション』だ。

「たとえば、チンパンジーは高い知能があると言われていますが、赤いボタンを押すとバナナが貰えることを知ったら赤いボタンを押すようになります。そのチンパンジーの子供が同じことをやるかというと、やらないですよね。そこには学んだことを後世に伝えていくコミュニケーションはありません」

「学び」と「コミュニケーション」――その2つが長けている人類は、歴史を積み重ねながら、一歩ずつ前に進んでいった。いまの私たちの社会もいきなり立ち現れたわけではなく、過去の積み重ねの上で成り立っているものだ。Tehuは「文明の本質は学びとコミュニケーションにある」と解釈する。

「人々の学びとコミュニケーションの効率が上がれば、ひとりの人間の人生における学びは増え、後世に伝承できる量も増える。つまり、人類文明の進化の速度が上がるわけです」

人々の「学び」にアプローチするために、Tehuはチームボックスの事業に取り組む。講談社でデザインやクリエイティブを担当しているのも、同じ狙いがある。

「講談社で働く中で、出版とは何かが少しずつわかってきました。出版とは、その時代における最も重要な学びを厳選するために、優れた学びを持つ人を発掘し、残り続ける文書に編集していく営みです。誰もが発信できる時代に、200年後まで残すべき最も重要な知恵はなにか。出版とは学びとコミュニケーションに関わる仕事なんです」

Tehuがチームボックスや講談社で取り組むのは「シヴィライゼーション」をデザインすることだ。「人々の学びとコミュニケーションにアプローチし続けることで、人類文明の進化に少しでも貢献していきたい」壮大なヴィジョンと現場での実践を行き来することで、世の中に変化をもたらすために邁進していく。

執筆:岡田弘太郎 写真:佐坂和也

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