セルソース株式会社
Cellsource Co., Ltd.
業種:医薬品
従業員数:100~300人
※ このページ内における会社情報や所属・役職などは 取材当時のものです。
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セルソース株式会社は、再生医療という新しいフィールドで社会に貢献している企業です。 2015年の設立からわずか8年目に東証プライム市場への上場を果たすなど、めざましい成長を遂げています。 2023年5月から6カ月間にわたり、組織の中核メンバー7人を対象に実施した「Teambox LEAGUE」。 トレーニングの導入に至った経緯や参加したリーダーたちの変化などについて、セルソース執行役員経営企画本部長の細田薫氏に、 チームボックス取締役瀬田千恵子との対談のなかで振り返っていただきました。

新しい風を吹かせてくれた「Good to Great」

―― 今回、セルソース様には「Good to Great」をテーマに「Teambox LEAGUE」を実施しました。プログラムの導入を決めた理由を教えていただけますか。

 

細田:理由は2つあります。まず1つ目は、トレーニングのサイクルです。PDCAを回していく研修やプログラムはよくあります。しかし導入する側も提案する側も負荷がかかるため、2時間や長くても1日で終わらせるものがほとんどです。「Teambox LEAGUE」のように1カ月のトレーニングを4セット、トータルで6カ月間というプログラムは聞いたことがなかったのでまずそこに興味を持ちました。ある程度コストをかけてやるのならしっかり腰を据えてやりたいという思いがありました。

 

もう1つは個別のコーチング(Half Time)がプログラムに入っている点です。同じコーチ(グローストレーナー)が、ずっと伴走し、PDCAまでチェックしてくれる点は非常に魅力があります。今までの考え方を変えていくには、コーチングが必要だと感じていました。「Teambox LEAGUE」はコーチングも含め6カ月間しっかりトレーニングできるので「これしかない」と思い決めたのです。

 

瀬田:今回のテーマ「Good to Great」については、どのように感じましたか。

 

細田:正直最初はあまりピンと来ませんでした。しかし、中竹さんから「グローバルで活躍できるリーダーの育成」という説明を聞いて、セルソースの価値観に今までなかった新しい風を吹かせてもらえたと思いました。というのも、これまでセルソースは「グローバルトップ」という言葉を意識してきたことがなかったからです。グローバルな経験を持つメンバーが集まっているのに、会社としてグローバルトップを目指すという発想や言葉はこれまで代表の裙本からも出たことはありません。それに気付いたときにすごく良いテーマだと思いました。

 

瀬田:組織診断ツールのTBScanを使い組織課題の分析を行いましたが、細田さん自身はセルソースの課題をどうのように捉えていらっしゃいましたか。

 

細田:確かに設立から7~8年目で、時価総額が一時期1,000億円を超えたこともありますし、常に利益を出し続けていると満足感を持ってしまうのは当然かもしれません。しかし、現状に満足するのではなく、さらなる高みを目指さなければダメだという目線を、少なくとも、今回参加した組織の中核メンバーは持っていなければならないと思います。そのような意味でも今回設定していただいたテーマは、レベル的にもタイミング的にもちょうどよかったのだと思います。

Co-learningによってメンバー同士の関係性が改善し、心理的安全性を醸成できた

――東証プライム市場上場を控えたタイミングでの6カ月間のトレーニングは非常に意味があるものになったかと思います。細田さんご自身にとっては、どのような6カ月間でしたか。

 

細田:過渡期の大変な時期ではありましたが、自分自身の成長に対して積極的に取り組めたと思います。中竹さんから言われたことを実行したり、担当グローストレーナー(※1)の小暮さんに話を聞いてもらったりしながら、さまざまな学びを得られました。

 

瀬田:細田さんは、Feeba(※2)での言語化も素晴らしかったと思います。Feebaでは、リーダーの5つの成長ポイントを振り返りますが、この5つ全てを体現できるリーダーはなかなかいらっしゃらないです。それを全部意識的に取り組んでおられた細田さんは本当にすごいと思いました。

 

※1 担当グローストレーナー=専属コーチ

※2 Feeba=自身の目標設定に対する振り返りと、部下からのフィードバックによって振り返りの質を高める行動変容支援ツール

 

細田:さらけ出しやメタ認知に関しては多少知識があり重要性も知っていたので、ある程度はできていたと思います。中竹さんのお話も非常に分かりやすかったので、どんどん吸収できました。ただ、「仲間の成長を信じる」は、自分でもできていないと感じる部分でした。そこをクリアして成長できたのは、小暮トレーナーが「なぜできないのか?」というところを掘り下げてくださったからだと思います。

 

瀬田:集合トレーニングの場のLocker Roomでは、グローストレーナーにMUL(Most Unlearning Leader)として選ばれたご自分のストーリーを紹介されたり、MULに選ばれた他のリーダーのお話を聞く場面がありました。自分のことを第3者から客観的に解釈した話を一緒に学ぶリーダーの前で紹介されることや自分以外のリーダーの話を聞くことを通じて、どのような学びがありましたか?

 

細田:私自身はさらけ出しが出来ていたので、メンバーの前で自分の話をされることに関しては恥ずかしいという気持ちはありませんでした。グローストレーナーの方から紹介された自分のストーリーが他のメンバーにどれくらい刺さったのか、興味はあります。同じMULに選ばれた他のリーダーのうちの一人は、まだマネジメント経験も浅い中このプログラムを受講しました。彼は最初からオープンマインドで取り組んでいたからこそどんどん成長していく過程がはっきりと分かりました。そういう姿を見てさらに応援したい気持ちになりましたし、このメンバーを一緒に学ぶリーダーとして選んだ決断は正しかったと確信できました。

 

瀬田:「Teambox LEAGUE」では、Feebaのような一人で自分に向き合うSolo-learningと、メンバー全体で相互学習するCo-learningを組み合わせたプログラムです。このように学び方を分けてトレーニングプロセスを歩んでいくことについては、どのように感じましたか?

 

細田:私は、Solo-learningが得意な方なので、中竹さんからもらった課題に対し自分の言葉でまとめて言語化できたと思います。ただ、そこで終わってしまうとせっかく身に付いた学びも忘れてしまうので、アウトプットし続けることが必要です。そのためにもCo-learningの時間は非常に有効的でした。Co-learningすることは記憶に残りやすいので、自分自身への定着になるのはもちろん、相手を知ることもできるのでメンバー同士の関係性の改善や心理的安全性を醸成することにもつながったと思います。

言語化から逃げず、力強く伝える覚悟ができた

――インプットしたことを言語化し、アウトプットすることによって、何か自分の中で変化はありましたか。

 

細田:言語化することによって、それまでインプットしたことを整理し改めて確認することができました。

 

瀬田:数多くインプットされた中で細田さんが印象に残っている言葉は何ですか。

 

細田:全員に対してインパクトがあったと思うのは、「勇気は伝染する」という言葉です。自分が弱さをさらけ出すことで、他人の背中を押しているという話が印象的でした。特にリーダーは、その起点になる必要があることもよく分かりました。迷いながら自己解釈を進めていたメンバーにとっても、まさに背中を押される言葉だったと思います。

 

「恥は怪物」という言葉も印象に残っています。怪物というメタファーを使って「恥というのは時間とともに膨れ上がってしまう」と教えてもらいました。私はさらけ出しにはある程度は利己的な部分があった方がいいと思っていたのですが、「恥は怪物」という言葉を聞いて、改めて別の面から教えてもらった気がします。さらけ出しが苦手なリーダーの背中を押す言葉としてもいいと思いました。

 

瀬田:細田さんは言語化が得意で言葉のチョイスに非常にこだわりがある方なので、言葉にこだわるTeamboxと相性がよかったのではないかと思います。

 

細田:確かに私と裙本の言葉へのこだわりという点で、相性が良かったと思います。ただ、ほかの6人全員含めて同じレベルにあるかというと、そうではありません。それが今回のトレーニングによって、言語化から逃げなくなったのが大きな成果でした。まだ完全にできているとはいえませんが、自分の考えを言語化し力強く伝える覚悟ができたと思います。

グローストレーナーとのHalf Timeで得た、Aha体験とメタ認知向上

――言語化以外に、細田さんがこのプログラムで一番のハイライトだと感じたところはどこですか。

 

細田:第一回目の小暮トレーナーとのHalf Time(※)です。 中竹さんのパートの集合トレーニングLocker Roomは気付きを得ることももちろんですが、自分なりの考えをより強固にできた場でした。ところがHalf Timeでは、これまで「アンラーン」(※)する必要はないと思っていた部分まで指摘してもらい、まさにAha体験が起こりました。

 

同時に、問いの力を感じた瞬間でもあります。例えば、私の意見に対して「その考えは間違っていますよ」と否定するのではなく、「今の細田さんにとって本当に必要ですか」と言ってくれるので、違う答えを見つけることができます。問いの力によって全く捉え方が変わる体験を最初のHalf Timeから得られたのは、大変驚きました。

 

※Half Time = グローストレーナーとの1on1コーチング

※「アンラーン」=これまで培ってきた成功体験や信念、慣れ親しんだ習慣を捨て、新しい考えを取り入れること

 

瀬田:Half Timeは痛いところも突かれることがあるので心地良さだけでなく心地悪い体験をすることもあります。Half Timeを4回受けた感想をもう少し教えていただけますか。

 

細田:苦手な人もいるかもしれませんが、私は毎回Half Timeが楽しみでした。個人でコーチングを受けるのはなかなか難しいので、Half Timeはそんな私に取っては、とてもいいチャンスです。毎回トレーナーと話をすることで、さまざまな気付きをもらえました。私は元々コーチングに興味があったのですが、自分から見た自分と他者から見た自分とでは、他者からの見方によって自分では見えてない部分に気づけるという点とその重要性に気付かせてもらいました。

 

瀬田:「Teambox LEAGUE」を受けて、細田さん自身にもたらされた変化はどのようなものでしたか。

 

細田:メタ認知の視点が上がったと思います。例えば一定以上価値観の違う人に対しての苦手意識が拭いきれず、ストレスを感じることがありました。ですが、今は「受容をし過ぎず、また否定もしない。そういう人もいるし、それぞれが輝けるベストな形を探せばいい」というマインドで捉えられるようになりました。メタ認知する力が向上したのもコーチとの対話で「他者から見た自分」のことを、認識できたからだと思います。

「今を逃したらまずい!」危機感ゆえの本気のプログラム

――セルソースさんの「Teambox LEAGUE」で一番特徴的だったのが、Feebaを利用した部下からのフィードバックを週次で実施した点です。実際やってみてフィードバックの頻度はいかがでしたか。

 

細田:回答者側にも負荷がかかったとは思いますが、細かいPDCAと大きなPDCAを回すという点では、週次にしてよかったと思います。

 

瀬田:細田さんからはプログラムが進行している期間中、私たちチームボックスに対しても忌憚なきフィードバックをたくさんいただき、私たちはこのプログラムをセルソースさんと一緒に作り上げているんだという感覚が強くありました。このプログラムを作り上げるためにそのように率直に私たちにメッセージを送り続けてくださった理由を教えてください。

 

細田:仕組み作りや課題設定において、しっかり当事者である私たちの意見を入れて作るのは「Teambox LEAGUE」に関わらず私たちセルソースが常に前提としていることです。コーチングにおいてもグローストレーナーの方に参加リーダーのありのままを見ていただく目的もありますが、最終的なゴール設定をしておかないとコーチングそのもののクオリティが下がると思いました。Teambox LEAGUE全体を一緒に作り上げていく上でも、こちらの状態を可能な限りお伝えした方がさらに本気の良いプログラムになると思って率直な意見をお伝えしていました。一方で、セルソースの成長にとって今回のトレーニングを逃すとまずいという危機感がありました。だからこそチームボックスさんと一緒に作り上げて、本気のプログラムを実現できたと思っています。

社内での再現を続けて、強い組織を目指す

――プログラム終了後、セルソースさんの社内のメンバーに向けて「Teambox LEAGUE」のトレーニングを再現されていると伺いました。その再現も一例であると思いますが、今回のTeambox LEAGUEの学びを今後セルソースさんの中でどのように活かしていかれるかを教えてください。

 

細田:トレーニングの再現を言い出したのは今回事務局を務めてくれたHR戦略部長なのですが、実際のプログラムにオブザーブとして参加し続けたメンバーが提案したということ自体が、今回のTeambox LEAGUEに意味があったことを裏付けていると思います。

セルソースでは第9期から本部目標を取りやめ、各部を戦略・戦術単位としました。つまり、部長が目標を持ち自分の力で実現させていかなくてはなりません。そのために、現在部長職を4人選んで、私がトレーニングを行っています。もちろん上位のリーダーが受けることも大切ですが、会社の規模によっては、ミドルマネージャーまでTeambox LEAGUEの学びを体現できるようにならないと意味がないと思っています。やはり、主体となって動く人間が5つのリーダーの成長ポイントを実現できる状態が一番強いと思います。どこの企業もミドルマネジメント不足問題を抱えていますが、「Teambox LEAGUE」はその解決策の1つになると思います。トレーニングを続けるのは大変ですが、「勇気の伝染」によりコンバージョンが増幅され結果として組織力強化につながるので、続けていく価値があると思っています。今後、私の代わりにトレーニングを行える人材を増やしていけばHRBPのような存在が生まれるかもしれません。

 

瀬田:それが、本当の意味での自走のあり方ですね。これから先のセルソースさんの成長が楽しみでなりません。本日は、大変力強いお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

 

※ 関連記事:経営層こそ「ゼロベース」に。セルソースのリーダー育成にTeambox LEAGUEを採用した理由。|セルソース株式会社

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