オムロンヘルスケア株式会社
OMRON HEALTHCARE Co., Ltd.
業種:製造業
従業員数:3000人以上
※ このページ内における会社情報や所属・役職などは 取材当時のものです。
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健康機器の開発・販売などを行うオムロンヘルスケア株式会社様は、東証プライム上場のオムロンの完全子会社。同社の開発部門において2016年から17年にかけて2シーズンにわたりTeambox LEAGUEを導入いただきました。実際に参加したリーダの岩本 篤典様にお話を伺いました。

朝会で毎日「GOOD」「BAD」「NEXT」の3ステップを実践

トレーニングを通じて、周囲からの評価が上がったそうですね?

はい。「1年前に比べて、チームやグループの運営が出来るようになったな」と評価してもらえて。その点は、とても自信になっています。

もともとは、リーダーとしてどんな課題があったんですか?

「物事を自分でやらないといけない」と考えがちで、どうしても仕事を抱えてしまうところがありました。皆に仕事を振り向けるためには、まず、自分の考え方、やり方を知ってもらう必要があると思いました。

そこで、トレーニングをきっかけに、学んだことを部署のメンバーにも同じようにレクチャーして、学びを共有する取り組みを始めてみたんです。それも、習慣を定着させるために、毎日やろうと。新たに「朝会」を開くようになりました。

「朝会」では、何を実践したのですか?

「Teambox LEAGUE」(以下、TBL)で重要なキーワードとして挙げられているのが「GOOD」「BAD」「NEXT」という振り返りのフレームワーク。これを徹底して習慣化するため、前日のよかった点、悪かった点をそれぞれが振り返り、「じゃあ、次はどうするか?」を宣言する。各メンバーが自身の行動を振り返り、上司部下間で共有する時間を毎朝持つことで、明らかに、メンバー間のコミュニケーションは良くなりました。

メンバーの方々は、初めから乗り気でしたか?

当時、派遣スタッフが2人いたのですが、一人は「楽しそうですね。やりましょう!」と。もう一人の方は、年上の方で、「条件の中で業務をこなすことが目的で働いているので、そういったことに時間を割くのは……」と消極的な印象でした。けれども、私が研修で何を学んでいるのか、そこからどうしていきたいのか、そのあたりがメンバー間に明確に伝わるようになり、「自分たちにもフィードバックしてもらえて、勉強になります」という肯定的な感想が徐々に聞こえるようになりました。そのうちメンバーからは、「楽しそうに研修していますね」と言われるようになって。

リーダーが楽しそうに仕事をしている姿をみると、メンバーにもいい影響がありそうですね。

そうですね。メンバーも有意義だと感じてくれたのか、あいかわらず「朝会」は、研修が終わって半年以上が経っても続いています。

コミュニケーションが取りにくかった他部署メンバーにも向き合う

研修を担当したコーチから、岩本さんはTBLに参加していた各部署のリーダー間をつなぐ「横串」の役割を買って出ていたと伺いました。それはなぜですか?

研修の一環でマネジメントに関してメンバーからの評価ももらうのですが、私の弱みとしては、「俯瞰的視点で状況を把握し、全体の調整役を務める点が不足している」とありました。TBLの参加メンバーへのリーダーシップを発揮することで課題を克服しようと考えていました。

私の部署は、オムロンヘルスケア(以下、OHQ)において特殊な部署であることも関連しているかもしれません。OHQの開発部門ではモノを生み出す製品づくりがメインなんですが、私たちの部署は全員がソフトウェアエンジニアで、システム開発をするのがミッション。そのため、他の開発部門への異動がないんです。ある意味、陸の孤島みたいな側面もあり、TBLで一斉に顔を合わせた際、参加メンバーには、面識がない人も多くいました。

具体的にはどんなアプローチをしましたか?

「Half Time」という、コーチとの個別面談時に、コーチから「業務におけるつながりづくり(Make the Chain)」と「リーダー同士のつながりづくり(Be the Chain)」という課題目標について、その意味合いが若干ズレた形で伝わっているのではないかという疑問を突きつけられました。私は意味合いを理解し直した上で、今度はTBLのメンバー全員に話して伝えるという「目標」を立てたわけです。

一人一人のメンバーに、「この言葉を、どういう意味合いで理解されているか、教えてください」と率直に聞きました。普段、どの階のどの席に座っているかも知らないメンバーばかりでしたので、座席表をみながら、「あ、あそこだ」と訪ねていって。それぞれのメンバーからのヒアリングをもとに、課題目標にまつわる認識の「ズレ」について、自分の理解の中から話をさせてもらい、そこから対話を繰り広げる形で意識共有を図っていきました。

なかにはコミュニケーションが取りにくいメンバーもいらっしゃって、その方に対しても、岩本さんは最後まで向き合っていたと伺いました。

相手からあまりいい感触は得られなくても、1日1回声をかけてみる、みたいなことはしていました。他愛のない話でもいいので、話に行くアクションが大事だと考えていましたから。あの手この手を使っても、みんなの集まりに顔をだしてもらえないメンバーには、他のリーダーたちとの話し合いの中身を伝えにまた出かけていって。「こうこうこんな話をして、こんな結果でした」と伝えてみると、「今度はこういう話をしたらいいんじゃない?」などとフィードバックをもらえたりするので、動いてみる価値はあるんだと気づきました。

独自の「スタイル」を明確化することでリーダー像を模索

TBLの2シーズン目は、リーダー自身の自己認識力を高めることが求められ、徹底して自己に向き合う機会を与えられます。その過程で、どんな気づきがありましたか?

リーダーと言っても、定義や正解があるわけではなく、「自分がどういうリーダーになりたいか」というところを明確にすることが大事だと学びました。いわゆる「いいリーダー」みたいな既存の固定観念に縛られるのではなく、自分のよい部分も悪い部分も見極めた上で、全部ひっくるめた個性を生かして「私はこういうスタイルのリーダーだ」というのを確立していくと。

私の場合、誰とでも分け隔てなくコミュニケーションが取れる、壁を作らないというタイプで、「そこが強みだからもっと生かしてください」とコーチからも指摘されました。だから、先程お話した「横串」のコミュニケーションにトライしたんです。その一方で、「自分のセクションのところだけ目標が達成できていたらいい」と狭い視野で物事を見ているという弱みも見えてきました。もっと全体をみて、「全体を良くするには?」という視点が欠けていると。そこはまだまだ課題ではあるのですが、TBLでの他部門を交えたセッションを通じて、「みんなで成長していかないと、全体の成長にはならない」ということを身をもって体感でき、その結果、部門を横断する形で「団結力」も味わえました。

「メンバー間」を飛び越える他部署とのやりとりは、その後スムーズになりましたか?

はい。メンバーにも「もし、他の部署とうまくいっていない事項が発生したならば、もしかしたらこちらの意図を相手が理解していないという前提に立ってもう一度話をしてみてください」と伝えています。それは、私自身が身をもって体験したことですから、自信を持ってアドバイス出来るようになりました。

文章:古川雅子 写真:柏谷 匠

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