伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
Marubeni-Itochu Steel Inc.
業種:専門商社
従業員数:300人〜1000人
※ このページ内における会社情報や所属・役職などは 取材当時のものです。
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伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社様は鉄鋼製品等の輸出入および販売、加工を営む業界屈指の商社。2019年度に続き、2020年度もTeambox LEAGUEを導入していただきました。受講リーダーの1人、狩谷 宣良様(※ 当時 鋼材第二本部 薄板貿易部 熱延鋼板第一課長)にトレーニングの感想を伺いました。

目を背けていた自分の弱みを突かれる体験

トレーニングを始めた当初、どのような気持ちで参加していましたか?

中高大で運動部のキャプテンをやってきた経験、また過去のタイ、米国での駐在経験からも、チームの先頭に立って人のマネジメントをするのは得意だと思っていました。実際、トレーニングが始まった当時も、自分の課はうまくやれていると思っていました。コロナで大変だったけど数字的にかなり結果を出していましたし、新しいプロジェクトのアイデアもみんなでブレストして部下が能動的に動ける状態を作れていました。正直「このトレーニングは自分に必要なのかな?」と思っていましたね。

その辺のわだかまりを芝野グローストレーナー(以下、GT)に率直に話すところから始めました。

課長としての実績はあるし、組織の状態も好調。そんななかで、ご自身の課題に気づけたのはどうしてですか?

芝野GTにうまく引き出してもらったからです。最初は僕なりの価値観や達成感を色々と聞かれましたね。これまで僕は、チーム全員で同じ景色を見るということを大切にしてきました。結果が出れば一時的な達成感はありますが、やはりその結果に向かって全速力で、団結して動いている感覚こそが崇高であり、価値、感動があると考えています。学生時代運動部でチームプレーをしてきましたが、スポーツでも僕だけが良い選手でもチームは勝てないですよね。だからどうやって仲間と一緒に、チームとして、上がっていこうか試行錯誤の日々でした。でも1人じゃないから、10人いれば10倍楽しいし、20人いれば20倍楽しい。そういう気持ちをわかっていたので、仕事でもそんな状態を目指していました。

でも芝野GTに「じゃあ今のチームは全員同じ景色を見られているの?」と問いかけられたときにハッとしました。本当に全員なのか? そうではなかったんですよね。それって本当は自分の深層心理では気づいていたのに気づかないふりをしていた。「痛いところを突いてくるな」というのがそのときの率直な感想です。

誰しもそういうのはありますよね。わかってるけど蓋をして見ないふりをしている。そんな部分を指摘されたんですね。芝野GTはけっこう鋭く突いてきましたか?

はい。いろんな角度からねちっこく質問されましたね(笑)「この人の話、ちゃんと聞いてみようかな」と思ったのは、視点だけでなく、今までの過去を振り返って、時間軸からも捉えてくれたからです。

例えば、大学でホッケー部のキャプテンをやっているとき、本当に全員で進んでいたのかというと、「こいつだめだな」と思って実は自分が見切っているメンバーもいたんです。また30代でヒューストンの支店長をさせてもらったときは、多種多様な価値観を持つ部下がいました。6人種いる中、日本人が1人という環境で結果は出しましたが、一生懸命やらない人が嫌いなので、そういうメンバーがいると、どこか心の中で諦めていました。結局何をやっていたかというと、自分だけ頑張っていたんですよね。今思うと、組織に再現性がなく、必ずしも全員で同じ景色が見られていたわけではなかった。問題は自分だったとわかったんです。

まさに芝野GTはそこに対してぐいぐい突っ込んできましたね。

「今の部署は結果も出していて狩谷さんの価値観に合わせてくれる人はいるけど、全員合わない人だったらどうするの?また一人で頑張るの?」って言われたときには、本当にハッとしました。

実際、トレーニング期間中に担当していた課にも、自分が難しいと考えている部下がいました。僕は彼を一生懸命やらない人だと勝手に思い込んでいたし、自分の価値観でダメだろうと見切ってまともに向き合っていなかったんだと思います。でも芝野GTに「ちゃんと向き合って話してごらん」と言われて本腰が入りました。一生懸命やるとはどういうことか、そのすり合わせすらしてこなかったんですよね。上司がそれをしなければ部下はどうしようもないですよね。人を変えるとか変えないではなく、結局上司である自分が変わらないといけないと気づきました。

真剣に向き合ってみて初めて気付けることがある。

その方と向き合って話してみて、いかがでしたか?

めちゃくちゃ嫌でしたよ。1年半近くその状態で過ごしてきて、どこかでどちらかが異動するだろうと思っていましたし、今さら向き合わなくてもこのまま流せるだろうと思っていた。そもそも、その人とそういう真面目な話をしたこともなかった。でも芝野GTに背中を押されたから、本音の話ができたんだと思います。

芝野GTは狩谷さんが真剣に自分の弱さに向き合ったと言っています。対話って重要だけどわざわざやらなくてもいいこと。商社の激務の中で、それだけ真剣に取り組めたのはなぜですか?

自分にとって痛いことでも、やってみないとわからないと思ったからです。「わかる」から「できる」というチームボックスのテーマを体感するにはそれがよかった。頭でわかって流せればよかったんですが、GTと本音の対話をしていくなかで、本当にそこが自分の課題だと実感できました。それまでの自分を乗り越えたかったし、真剣に向き合ったあと、自分にも周囲にもどういうことが起こるか興味が湧いてきました。

実際にじっくり時間をとってお互い本音で話す中で、僕がその部下と対話をして認識を合わせること以外に方法がなかったことがよくわかりました。その人なりに一生懸命やろうとしていたんです。一生懸命さの価値観は人によって違う。その擦り合わせですよね。どうせ言っても無駄だという思い込みが解けてからは、その人の成長を考えながら、自分と彼がどう変わっていけるか、何ができるかをしっかり話せました。

真正面から向き合えたんですね。

それは芝野GTも自分に対して真正面から向き合ってくれたことが大きいです。僕も同じように彼に向き合おうと思いました。あまりにもどストレートで来るので、最初は苛立ちましたが(笑)

狩谷さんはGTとの付き合い方がとても上手でした。自分の成長につながる活かし方のコツはありましたか?

本気で自分を変えようとするとき、ひとりで変えるのは難しいので、こういう人が必要なんですよね。初回は僕も斜めに見ていたところがあったけど、2回目くらいで芝野GTがグイグイ突いてきたのでやる気になってきた。「芝野さんならどういうことを考えるか」ということをよく考えていました。友達とか、一緒に頑張る仲間とか、そういうふうに捉えていましたね。

僕が変われて、芝野GTも喜んでくれたら、同じ景色を見られているということになるじゃないですか。そういう状態を目指していました。

自分にも相手にも真剣に向き合う経験から学んだことは何ですか?

自分自身をさらけ出すことで、相手のことをより深く理解できるということです。価値観が違うなら、擦り合わせることが大事なんです。リーダーがそれをやって初めて独りよがりではない、同じ景色を見ながらチームで一緒に走れる状態ができます。チームである以上、一人も取り残したくない。やはり「全員」です。

4月から経営企画部で新しい人たちと仕事をしていますが、Teambox LEAGUEで学んだ「いつでもどこでも誰とでも活躍できるリーダー」を目指しています。これは一番気に入っている言葉なので、これからもずっと活かしていきたいと思っています。

聞き手:チームボックス 山本伸一

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