株式会社マネーフォワード
Money Forward, Inc.
業種:情報・通信業
従業員数:1,000人以上
※ このページ内における会社情報や所属・役職などは 取材当時のものです。
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「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションを掲げ、個人事業主から上場企業まで幅広い企業のバックオフィスを支えるSaaSを提供するマネーフォワード。2012年の創業以来、18万以上の顧客に選ばれる同社では、管理職の育成に力を注いでいます。 合宿形式での ※「リーダーズキャンプ」開催に至った経緯や、参加したリーダーたちに起こった変化、チームの関係性に生じた変化などについて、株式会社マネーフォワード グループ執行役員CHOの石原 千亜希氏にチームボックス取締役兼セールスマネージャーの瀬田千恵子氏との対談のなかで語っていただきました。 ※「リーダーズキャンプ」=RebornCampサービスの一部

受講者がプログラムに没入するために、合宿形式の研修「リーダーズキャンプ」を導入

ーーー「リーダーズキャンプ」は、マネーフォーワードさんの「リーダーシップフォワードプログラム」の一環として合宿形式で導入いただきましたが、そもそも当プログラムについて教えていただけますか。

「リーダーシップフォワードプログラム」は、2021年にスタートしました。このプログラムを作った経緯は、2017年に東京証券取引所マザーズ市場へ上場して以降、社員が増えるにつれて「マネージャーが育つ体制を整えるのが重要だ」と考えたからです。上場から今まで優秀な方の採用に取り組んできましたが、部長や本部長といった管理職層を引き上げることで現場のレベルアップを図るため、このプログラムが始まりました。

2021年の開始当初は、社員が受講表明をしてくれるかどうか、またどれくらいニーズがあるのかが未知数でした。加えてコロナ禍の真っ只中でしたので合宿形式での開催が難しく、2022年からやっと念願の合宿ができるようになり、チームボックスさんにお願いしたという流れです。

ーーー合宿という形式にこだわった理由は何でしょうか。

受講者が研修内容に没入できるものにしたいと思ったからです。「リーダーシップフォワードプログラム」は3つの要素から構成されており、1つ目が「自分自身をリードすること」2つ目が「組織をリードすること」そして3つ目が「事業をリード」することです。

組織や事業の部分は当社代表の辻が中心となって実施しますが、1つ目の自分自身をリードするという部分は社外のエキスパートに入っていただき、合宿でギュッと受講者のマインドを高めていきたいと考えました。

求めていたのは、教える・教わるの関係性ではなく、受講者自身に気づきがあって前に進める研修プログラム

ーーー数ある研修プログラムの中でもチームボックスをお選びいただいた決め手は何ですか。

実は今回のプログラムをお願いする前に、中竹さん(チームボックス代表)の講座を受けたことがありました。中竹さんは知識が豊富なのはもちろん、実際に自分でやってきてどうだったかという経験談もお話くださいました。受講者一人ひとりが内省し、より深く考えるきっかけを与える言葉がけや研修の設計が素晴らしいと感じました。

研修はどうしても教えることが主になりがちですが、当社の社風としてはそれはあまり求めていません。当社には「プロフェッショナル」というカルチャーがあり、自分たちで考えて自律的に成長することを重視しています。ですので、教える・教わるの関係性ではなく、受講者自身に気づきがあって前に進めるものがいいなと思いました。

中竹さんの講座にはまさにその要素が詰まっていて、当社が合宿の初日にやりたいことと、かなり近かったため、チームボックスにプログラム(リーダーズキャンプ)をお願いしました。

ーーー今回「Lead the Self」というテーマで研修を進めましたが、これは管理職の皆さんの成長にどう貢献し役立つと思いますか。

合宿には2日程で合計60名ほどが参加しますが、リモートワークや組織が急激に大きくなっていることから、受講者同士が初めて会う場合も多いです。このプログラムを通して、リーダーたちには事業責任者としての視座を持ってもらいたいというのも重要なポイントですが、それに加えて社内で志の高い仲間を見つけ、切磋琢磨したり困った時に相談し合える関係になったりと、リーダー同士の関係性づくりも重要だと思っています。

リーダーの形は人それぞれで、自由な発想で進むタイプもいれば、堅実に進めるのが得意なタイプもいます。どちらが優れているかではなく、色々なタイプがいる方が組織にとって良いと思います。「Lead the Self」という観点はどんなリーダーにも大事ですので、より自分のことを客観視し、「次は何が必要か」「今どこでつまずいているか」をそれぞれのリーダーが把握して、次のステップに向けて進んでもらえればいいなと思います。

受講者が合宿研修の学びを社内で共有・実践し、社内にいい循環が生まれている

ーーー受講者の皆さんからは、「リーダーズキャンプ」の合宿についてどのような声がありますか。

2022年に初めて合宿を開催した時から社内で非常に反響がありました。100名ほどの応募を受けて、受講者枠を増やしたほどです。今年2023年も応募者数は前年を超え、グループ会社の社員から応募があったのも嬉しい出来事でした。

受講者は選考のうえで決定しますが、上長から「この社員にはぜひ受けさせたい」という推薦コメントを受け取った例もありました。「これは良いプログラムだから部下を参加させたい」という評価が社内に周知されているのを実感しましたね。

研修に対する良い評価が広まった要因としては、前年の受講者が自発的に周囲へ研修での学びを発信してくれたことや、チームや部署で成果を出してくれたことが大きなポイントだと思います。研修で成長した社員が自ら学びを実践し、周囲にも伝え、上長がそれを理解して次の世代の参加を後押しをする。このサイクルは、とても良い循環だと考えています。

ーーーマネーフォワードさんの受講者の皆さんは前向きで意欲にあふれた方ばかりですが、それはマネーフォワードさんの文化も影響しているのでしょうか。

チームワークやリスペクトを大事にするというカルチャーがあるので、知らない人がいてもどれだけ相手をリスペクトできるか、チームの中でどうアウトプットをしていくかは多くの社員が常に考えていると思います。もし研修中にチームで少し大人しい人がいても、誰かが拾い上げてチームの活動に引き込んでいく役割をします。それが自然にできるのが当社らしさかもしれません。あとは「基本的にマネーフォワードの社員なら良い人が集まっているはず」という共通認識があるので、最初は緊張していたとしてもすぐに打ち解けられるのも大きな特徴ですね。

リーダーが合宿研修の中で自分と向き合うことで「覚悟」が決まり、フェーズが変わった!

ーーーチームボックスの合宿研修ではアクティブラーニングを取り入れていますが、研修担当者の石原さんから見てアクティブラーニングの良いと思う点はどこですか。

「『知っている』と『できる』は違う」というキーワードが合宿の中で何度か登場しますが、それは座学ではあまり体験できない要素です。「実際にやってみたら意外とできないものだな」とか「こういう気持ちになるんだな」といった気づきがあるのはアクティブラーニングの良さだと思います。時には講師からピリッとした言葉をいただく場面もあり、悔しい気持ちを体験するのも重要だと感じました。

ーーーリーダーズキャンプでは失敗体験も重要な学びとしていますが、リーダーの皆さんにとって失敗はどんな形で糧になると思いますか。

当社代表の辻は「失敗を語ろう」という本を出していますので、会社としても失敗を奨励する風土があると思います。ただ、大人になると失敗するって結構難しいですよね。そんな中でも研修で受講者共通の失敗体験があるのはとても大きなポイントです。

一人で失敗するとつらい気持ちになるものですが、受講者みんなで実務に影響がないところで失敗体験をするからこそ良い経験になります。うまくいかなかったこと、メンバーはこういう気持ちになったんだという気づき、それらを共有できるからこそ次のステップに進む勇気が生まれます。

ーーー中竹(チームボックス代表)のセッションでは、受講者自身が「自分とは何者か」を問いかけ、それぞれの「Lead the Self」を見つけることをやっていきました。その過程は社員の皆さんにどのような学びを与えたでしょうか。

マネーフォワードに来て初めてリーダーや管理職になった受講者は、「リーダーとしての型を身につけたい」「答えを知りたい」と考える人も少なくないと思います。確かに、「リーダーにはこの素質は必要だ」という一定のラインはあるかもしれませんが、そういったノウハウよりも大事なのは「自分らしさを発揮したリーダーシップとは何か」を考えることです。

リーダーに必要なものに関する本はたくさん世の中にありますし、頭では知っていると思いますが、日常の中で自分らしさを考える時間はほとんどありません。今回の研修がそれを考える良いきっかけになったのではないでしょうか。また、中竹さんに経験を語っていただく中で「こういう人もいるんだ」という新しいリーダーのモデルを受講者が見つける機会になったと思います。

ーーー合宿後、現場に戻ったリーダーにどのような変化が生まれたと感じていらっしゃいますか。

今回の研修で聞いた内容、また研修を通じて自分自身に向き合い考えたことによって「覚悟が決まった」というリーダーがいました。今まで何となくモヤモヤしていたのが「やるんだ!」と決断できたそうです。

それから「悩んでいるのは自分だけじゃない」と感じられたのは、受講者にとって非常に心強い気づきでした。「自分ができないリーダーだから悩むんだ」「私だけがつまずいている」と思っていたけど、みんなも同じことで悩んでいるとわかるだけで肩の荷がおりたという声は多く聞かれました。

それが直接的に問題解決にはつながらなくても、問題へ正面から向き合うための力になります。霧が晴れて次のフェーズに進んでみようと思えるきっかけになったのであれば、それは非常に意味のある学びだと思います。

瀬田:そのようにお力になれたのは非常に嬉しく思います。マネーフォワードさんがこれだけリーダー育成を大切にされ、ポテンシャル人材を会社の中核として育てていくことは、時代の先を見据えた人材戦略であり、未来につながる経営戦略であると感じます。

合宿研修で得たものを実務に活かし、より強いチーム・強い組織へ

ーーー最後に、今後の「リーダーシップフォワードプログラム」の展望について、どのようにしていきたいとお考えですか。

「リーダーシップフォワードプログラム」の内容はリーダーに限らず、全社員を対象にしてもいいものだと考えます。当社は社員一人ひとりが自律的に成長することを重要な文化として位置づけているからです。もちろん、リーダーという立場は他の社員に比べて自立がより必要ではありますが、リーダー以外の社員も同じ観点を持てるといいなと思います。

研修に参加した人だけが学ぶのではなく、そこで得たものを周囲に伝えることがチームや部署の強さになります。研修の成果をより実務に活かし、次の世代もその考え方に触れていく。それがひいては会社全体が強くなることにつながります。

全社員が共通して「Lead the Self」の重要性を理解し、自らのあるべき姿を考えながら業務に向き合う、そんな組織になっていくといいなと思います。

 

瀬田:このプログラムを受けられたリーダーの皆さんが、まずは自分をリードし、マネーフォワードという組織をリードする。「Lead the Self」が伝播して、マネーフォワード全体の動きとなり、戦略となり、マネーフォワードにいる全ての人が会社の経営を支え、世界的な企業へと成長を実現させていく。まさにこれこそが「Lead the Self」をすることの最大の価値ですね。私たちチームボックスも、継続的にその具現化のお手伝いをさせてください。

本日はありがとうございました。

 

 

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