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言語化の意義とは?〜成長につながる問いかけコーチング

思考を鍛える

今日は言語化の意義について考えてみましょう。私が行うセミナーやワークショップなどでは、必ず自分の思いや考えを言語化してもらいます。

自分の頭で考えていることを言葉にするというのは、実は結構難しい作業です。意見や感想を求められ、パッと答える。もし最初からすんなり言葉にできなくても、トレーニングをすれば誰でもできるようになります。

チームボックスでは、コロナ禍でミーティングも全てオンラインに移行しました。議論の方法の一つとして、まずはお題に対してスプレッドシートに自分の意見を書き込み、その後それについて話し合うというやり方をとることがあります。これを半年くらい続けていると、みんな本当に言葉がシャープになってきました。言語化への瞬発力もつきます。

その他にも、チームボックスで提供しているトレーニングでは、4名ほどのグループがテーマに対して2〜3分で自分の意見を共有し合う場面が何度もあります。トレーニング開始当初は、その時間の短さに驚き、なかなか全員が話せなくても、トレーニングが終わる頃には、みんな当たり前のように短い時間で自分の考えを言語化できるようになっています。
言語化の意義の一つとして、「思考を鍛える」ことがあげられるでしょう。

未来の自分へのメッセージ

人間は頭の中で言葉を紡ぎながら思考しています。しかし、「なんとなくこんな感じ」というのをうまく表現できず、モヤモヤし、言葉にならないこともありますよね。そのときは、そのまま「言葉にならずにモヤモヤしている」と言葉にしてみるのです。そうすると、その「言葉にならない」状態が外に現れます。

人が抱く感情は、考えずに感じているものなので言葉にしづらいのですが、抱いた感情=Feelしたものを、なるべく言語化し、全てが言葉にならなくても、後から振り返ったときに自分の感情のヒントとなるように残しておくことが大事です。

人は一日に六万回思考すると言われています。一つのことを考えながら、一方では全く矛盾するような考えを同時にしたりもしています。「今の感情を一言で表しましょう」と言われても、どの感情を選んで言葉にするか選択しがたいです。しかし、抱いた感情を言葉にし表してみると、感じたもの(Feel)を自分で考える(Think)ことができます。これも言語化の意義の一つでしょう。

感情を言葉にすると、人に伝えることができます。未来の自分へメッセージとして残すこともできます。人間は忘れる生き物なので、パッと思い浮かんだ感情も、強烈に感じた感情も、ついつい忘れてしまいます。なので、印象に残ったことや忘れたくない感情は、言語化して残しておくのが良いでしょう。

時が経つと忘れてしまいそうな、日々の小さな気づきや発見。こういったものを言語化しておくと、長い年月が経った後にもそのときのことを鮮明に思い出すことができ、また感じ、考えることができます。ぜひ、日々の感情や気づきを日記に残していきましょう。

この言語化の意義は、振り返りにも通じます。いつかまた振り返りの意義についてもお話ししたいと思います。さて、あなたも今の気持ちを言語化してみませんか?どんな言葉で表せるでしょうか。それでは、今日もがんばっていきましょう!

株式会社チームボックス 代表取締役
中竹 竜二
福岡県生まれ。早稲田大学卒業、レスター大学大学院修了。三菱総合研究所を経て、早稲田大学ラグビー蹴球部監督就任。自律支援型の指導法で大学選手権二連覇を果たす。2010年、日本ラグビーフットボール協会 、指導者を指導する立場である初代コーチングディレクターに就任。2012年より3期にわたりU20日本代表ヘッドコーチを経て、2016年には日本代表ヘッドコーチ代行も兼務。2018年、コーチの学びの場を創出し促進するための団体、一般社団法人スポーツコーチングJapanを設立、代表理事を務める。著書に『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』(ダイヤモンド社)など多数。
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