トップ導入事例オムロンヘルスケア株式会社

会社という枠にはめ込まず「子どもからでも学べる」と気づいた

オムロンヘルスケア株式会社

業種: 製造業  /  規模: 3000人以上

オムロンヘルスケア株式会社

オムロンヘルスケア株式会社 オムロンヘルスケア株式会社

谷口 実 様

商品開発統轄部 部品技術部 部品技術グループ 基幹職

健康機器の開発・販売などを行うオムロンヘルスケア株式会社様は、東証1部上場のオムロンの完全子会社。同社の開発部門において2016年から17年にかけて2シーズンにわたりTeambox LEAGUEを導入いただきました。実際に参加したリーダーにお話をきくシリーズ第三弾、谷口 実様にお話を伺いました。

メンバーと「責任を共有」して前に進めるようになった

――トレーニングに取り組む前は、メンバーを持つリーダーとしてどんな課題を抱えていたんですか?

リーダーとしての覚悟ができていないと自分でも思っていたんですが、それ以前の問題として、そもそもチームのメンバーとのコミュニケーションということに十分に意識を向けていなかった。私の場合、その課題に気づくところから始めなくてはならなかったですね。

私は上の人、下の人、どちらに対しても、何かとコミュニケーション上のちょっとした摩擦を起こしていたんです。開発部門に身を置いていると、技術とか開発に関する「こだわり」がどうしても強くなってしまい、それを相手にも求めがちなところがありました。特に、私の場合はその傾向が強く、ひとたびスイッチが入ると相手に噛みついてしまうこともよくあって。「こういうのはあかんな」と思う一方で、「これが私のスタイル」と思って変わろうとしない自分もいました。

――トレーニング後に、谷口さんの部下は、「(谷口さんから)指示を受けているというよりは、共に考えてプロジェクトを進めていると感じるようになった」とリーダーの変化について言及していました。ご自身は、トレーニングを通じてどんな点が大きく変わったと実感していますか?

社内のメンバーとのコミュニケーションを円滑にするために、まず変えなくてはならなかったのが、私の中にある「自責」の傾向です。「他責」で相手を責めてしまうのではなく、自分だけで責任を抱え込みすぎるところがあるんだという気づきがあったんですね。なおかつ「こだわり」が強いですから、積もり積もると「なんでわかってもらえないのか」と小さな爆発を起こす。だからこそ、まずは課題をメンバーと共有し、協力関係を持ちながら物事を進めていくプロセスを踏むように癖づけをしていきました。一人でできることなんて限られているんだから、皆で責任を分担するんだという思考の仕方への転換ですね。とはいえ、チームで物事を進めながらも、自分の向かいたい方へとチームを振り向けていきたい。「こだわり」を捨てるわけじゃない。自分の考えに同意してもらい、互いが納得して物事を進められる関係性を築いていくにはどうしたらいいか? それを考え、実践し続けました。

——実践の中で、課題はより明確になりましたか?

はい。私の「こだわり」とは、例えば人を健康にする商品やサービスをお客さんに届けることだったり、品質を良くしたいということだったり。それはそれでいいんですが、チーム内にビジョンを掲げる時、こだわっていることの細部だけをクローズアップして伝えていたんだと、はたと気づきました。ですが、リーダーとして必要なのは、そういうこだわりがあるからこそ、「皆と責任を共有して、こんな風にゴールまで持って行きたいんだ」というメッセージを伝えていくことだったんだと。そこのところをうまく発信していくようになってからは、責任を皆と共有しながら前に進めるようになったという実感があります。今、中国人やベトナム人のスタッフとのやりとりも増えてきましたので、相手を認め、なおかつ自分の思いを伝えていくということが、ますます大事だなと感じるようになりました。

地域に飛び出し「誰からも学べるリーダー」に

――「Teambox LEAGUE」(以下、TBL)でよく使われるのが「UNLEARN」というキーワード。これまで学んだことをいったんゼロリセットにして学び続ける姿勢ということなんですが、谷口さんというリーダー個人の成長ぶりを見た時に、この「UNLEARN」という姿勢を獲得したことで、「怒涛の成長を遂げた」というのが担当したコーチの感想です。どのあたりが分岐点だったのでしょう?

「ロッカールーム」という集合トレーニングの時に、参加リーダーたちの前で5分間プレゼンをする機会をもらいました。その準備の過程かもしれません。TBLのコーチからは、事前にめちゃくちゃプレッシャーをかけられましてね(笑)。「タダ5分間人前で話すというのではない。聞く人たちはこの貴重な5分という時間を使うわけだから、しっかり課題に向き合って、いい発表にしてください」と。練習のビデオを撮って、誰かに見てもらってフィードバックをもらって改善を重ねて下さいとも。自分でも、高いハードルを課して取り組むことにしました。

ただ、本番はちょうど、冬休みを挟んで年明けだったので、聞いてくれる人というのが限られていた。そうなると、家族しかいないなと。そんなわけで、冬休みで家にいる子どもたちも巻き込むことにしました。ちょうど、上の子が小学校から中学校に上がるタイミングで、受験にチャレンジすると言い出した時でもあり、親としても、自分がチャレンジしようとしている姿を子どもたちに見せるのも悪くないかな、とも考えました。

――お子さんたちの反応はいかがでしたか?

これが結構、辛口でね(笑)。小6の上の子なんて、私がパワーポイントの方ばかり向いてしゃべっていたら、「お父さん、プレゼンはアイコンタクトとスマイルやで!」って。今は小学生でも学校でプレゼンを経験しているから、わかっているんですね。普段は私が「勉強しろ!」といっても反論などしてこないのに、この時ばかりはニヤニヤしながら、ここぞとばかりに「意見」してきました。下の子はまだ6歳でしたが、タイマー片手に時間を計りながら、「お父さん、10分もタイムオーバーやで」とか、「もっと僕にもわかる言葉で話して」とか。

——そんなかわいいリアクションをもらって、気づきはありましたか?

親ってどうしても上から物を言いがちだけれど、子どもからも学ぶことはいろいろあるなと。それに、子どもにもいい影響がありました。私のプレゼンをちゃんと聞いてくれて、意見もくれて、「お前から教えてもらったわ」と話したら、子どもは自分が認められたんだなと、まんざらでもない顔をして喜んでいました。家庭は一番小さい単位の社会だと思うので、そういう関係性を築くことも大事だなと。

——今や、「誰からも学べるリーダー」と評される谷口さん。周りからの評価も変わってきましたか?

メンバーからは、「話しかけやすくなりましたね」とか「表情が変わりましたね」などと言われるようになりました。そう言ってもらえると、自分も楽になる。気軽に「教えて」と聞けるし、わからないことはわからないと言い合える関係性を築けるようになりました。

まあ、何と言っても自分自身、見える世界が広がったという感覚がありますね。視野が広がった。チームの上の人も下の人も、相手を見渡せるようになって、相手の意見を聞きながら、「だったら、ここをこうしたらどうですか?」と、建設的で具体的な意見が言えるようになった。異なる意見に対して、以前のように相手に噛み付くようなことは、まずなくなりました。

 

自分の「ミッション」に気づき、行動する面白さを知った

――研修を終えて、半年以上が経過しましたが、身についた習慣は持続していますか?

続いていますよ。相手の話を聞いて、自分の考えを伝えて、ともに振り返りをしてそれを文字に落とす。そういう習慣を一定期間徹底して続けていましたから。今では、この「振り返り」のフレーミングを、家庭でも実施しているんですよ。ご飯の時や、いっしょにお風呂に入る時など、普段の何気ない会話の中で、「今日、どんないいことあった?」みたいなことを、意識的に聞いてあげています。

地域活動でも、なるべく自分のバリアを解いて、子どもたちといっしょに活動を成し遂げていくというプロセスを味わっています。私は、地元の子どもたちの「ロボット教室」のボランティアをしているのですが、多い時は20人ぐらい子どもたちがやってきます。私の役割は、彼らが自分たちでプログラムを組み立ててロボットを動かしていく学びと遊びのお手伝い。初めは彼らも見知らぬ人同士で戸惑いながらプロジェクトを進めていきます。、しかも、途中で喧嘩したりいろいろトラブルも起きるのですが、だんだんと一致点がわかってきて、価値観を共有し始めて、最終的には「皆で」コトを成し遂げていく。その過程を見ているだけで、こちらの方がいろいろ学ばせてもらっています。

――これからは、どんなリーダーでありたいと考えていますか?

まだまだリーダーとしての課題は残っているんです。各種のプロジェクトを遂行するにあたり、まず「目的」を伝えること。相手との一致点をいち早く見出すこと。それらを習慣化して完全にマスターするには、それなりに時間がかかります。だからこそ、学び続ける姿勢を忘れないリーダーでありたいと思っています。

「いつでも、どこでも学べるんだ」という研修を通じての気づきは、大きな財産になっていると感じています。それが、リーダーとしてこれからやっていくんだと決めた私にとって、何よりの収穫です。もし、TBLのような学びと気づきを経験する機会がなかったら、私は、いつまでも「カフ(血圧計を使うときに腕に巻く部品)に詳しい人」で終わっていたかもしれないと思う。そのぐらい視野が広がったということです。

自分にベクトルを向けて、弱さや迷い、忙しさと天秤にかけて、ギリギリのところで自分の「ミッション」というものにあらためて気づきました。そのミッションとは、「世のため、人のため」に行動するということ。今はリーダーとしてその行動を優先させ、「皆と」行動することそのものが面白くなってきました。TBLで身につけた習慣を今でも変わらず続けていられるのは、自分の中に「面白い」というエンジンがかかっているからかもしれません。

文章:古川雅子 写真:柏谷 匠

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